商品紹介

「ここの塩を使うたら、もう他のは使えん」そんな声も聞かれる弓削塩

この商品の作り手
生産者・販売者

 NPO法人 弓削の荘  (株)しまの会社

NPO法人 弓削の荘、塩を作り始める

古代の製塩方法を解説して下さったのは、NPO法人 弓削の荘の代表理事で、塩作り職人の村上知貴さん。「ホンダワラという海草を燃やして、その灰を海水で漉します。そしたら普通の海水より塩分濃度の高い海水ができるので、当時は、それを煮詰めて塩を作ってたらしいんです」。


村上さんは、平成19年に「弓削塩文化を伝える会」を立ち上げ、古代に習い手づくりの石釜で塩を作り始めました。平成22年にはNPO法人「弓削の荘」を設立。NPOとして、献上塩を作りながら、弓削島の塩の歴史を伝える活動などを行っています。


海岸の畑で土器を拾ったことから始まった万葉ロマン

ことの発端は、今から約20年以上前に地元の研究者が、弓削島のすぐ隣、佐島の宮ノ浦(みやんな)海岸で製塩土器を拾ったことでした。平成17年、愛媛大学の村上恭通教授が率いる考古学研究室によって、宮ノ浦で遺跡の発掘が始まりました。
平安時代末期、弓削島が後白河法皇の塩の荘園で、鎌倉時代には京都の東寺領として栄えたということは、世界記憶遺産の『東寺百合文書』(国宝)など中世の古文書から知られてはいました。宮ノ浦遺跡からは、古文書に記されたとおりの揚浜式塩田跡をはじめ、海岸での幅広い時代の人々の生活の跡が、現実のものとして現れたのです。


発掘調査は、平成23年から愛媛大学と上島町教育委員会によって、毎年8月におこなわれ、近年は、古墳時代前期の製塩土器も出土しています。宮ノ浦ほど長い時代にまたがる製塩遺跡は全国的にも珍しく、平成27年の調査からは、中国や韓国の大学生も加わり、多くの人の共同研究になっています。
遺跡のある場所に行ってみると、そこは何もない原っぱでした。保護のため、夏の調査が終わった後は埋め戻しているのだそうです。

高評価を得る、非効率な作り方の塩が引き出す味

現在、弓削の荘が採用している塩作りの方法は、前述の藻を焼いた灰から塩を採り出すものではありません。その方法では、藻を消費しすぎて海の環境が保てないからです。そこで、村上教授の指導のもと、やはり古代の塩の作り方のひとつと考えられていて、海藻を繰り返し使えるやり方で実験を重ねました。
環境保全は、NPOとしての弓削の荘の活動のひとつです。平釜を炊く燃料も島内外の廃材等を利用しています。


弓削の荘の塩作りは、まず海水を平釜でゆっくり炊き詰め、「かん水」と呼ばれる非常に濃度の高い状態にまで凝縮。さらに8時間程度炊き続け塩を析出します。かん水を含んだ塩を杉の四斗樽に移し、水分を落とし乾燥機で乾燥させ、ふるいにかけて粒を整え完成させます。藻は、海水といっしょに煮込みます。
一度に4tの海水を炊き、できるまでに2週間かかって、とれる塩の量は60kg足らず


そんな手作りの塩の味には、大量生産する食塩のようなトゲトゲしさがなく、プロの料理家などが「この塩が欲しかった」と、買い付けに来ることがあるそうです。弓削塩が含む各種のミネラルは成分バランスが海の状態に近いので、食材からより自然な味わいを引き出すことができるのかもしれません。


5種類の弓削塩、どうやって使うのがいい?

弓削塩には、プレーンな白塩のほか、噛むとほのかに甘みがあるアマモという海藻が入ったあまも塩、天然ヒジキの香りと旨味あふれるひじき塩、梅酢の入った紅塩、こぶみかん塩の5つのバラエティがあります。
こぶみかん塩に入っているのは、上島町産の香酸柑橘、コブミカンの葉っぱです。タイでは「バイマックルー」と呼んで、カレーやトムヤムクンの必須アイテム。東南アジアでよく使われるハーブです。


紅塩と白塩はセットで箱詰めにすると、洗練されたお慶びの贈答品になります。
それぞれの使い方は、あまも塩は、生野菜、冷や奴、天ぷらなどに。ひじき塩は、肉・魚料理、刺身などに向いています。紅塩は塩むすび。こぶみかん塩は肉や魚の揚げものに使うと後味がスッキリします。
塩は少量ずつしか使わない調味料なので、料理になったときの味の違いは微妙かもしれませんが、シンプルに塩むすびで食べるとそれぞれの個性が際立ちます。
ごまかしのきかないものだから、ひとつひとつの工程をていねいに。塩の結晶が出てくるときが嬉しい瞬間です」と、村上さん。ピラミッドのような塩の結晶を見せて下さいました。弓削塩は、村上さんらによって今また再び、毎春、東寺に届けられるようになりました。

この商品の作り手

NPO法人 弓削の荘

弓削の荘がNPOとして取り組んでいる塩作りには、地域資源の有効活用、環境保全、高齢者の雇用創出など、様々な地域の課題の対策や活性化が盛り込まれています。
工房では、古代の藻塩作り体験を随時開催しています。弓削で、中世の歴史を感じてみませんか?手づくりの土器にかん水を入れ、炭火で煮詰めたら完成。お持ち帰りもできます。体験料は1人1000円。要予約。

NPO法人 弓削の荘
〒794-2505
愛媛県越智郡上島町弓削明神53
Tel:0897-72-9200
Fax:0897-72-9200